俺のバイクって前から見たのと後ろから見たのじゃ色が違うんだな

高校入学と共に"ルーズリーフ"というものを知った。ダボダボに弛ませて履くだらしのない靴下ならずいぶん前から知っている。
中学校までノートに書いていた俺は、その大人っぽい響きとファイルに"パチン!!"という快感に魅せられルーズリーフ派になった。
「ノートなんて使っているようじゃ、いい年なのに普通免許持ってないのと同じじゃねぇか。高校生からはルーズリーフだろ。しかも下敷きいらなぇし」
と言わんばかりの勢いでルーズリーフに黒板の文字を写していった。学校ではあまたのプリントが配布される。それらは重要極まりないものたちだった。ルーズリーフをちゃんとファイリングしていた俺は、クリアファイルを携帯していなかった。そう、これはプリントをなくす王道なのだ。
そこで、俺は思いついた。
「ルーズリーフの"パシャパシャした袋"に入れればいいんじゃん」
俺は先生からもらったプリント、予習宿題プリントなどなくさないように"パシャパシャ"した袋に入れるようになった。
ところが、入学からしばらくして"パチン!!"の感触にも飽きてしまった俺は、自分がせっかく写したルーズリーフをもともと入ってた"パシャパシャした袋"に戻すようになった。そうすればファイリングしなくてもなくすまいと思ったのだった。
しばらく経つと、非の打ち所の無いように思われた"パシャパシャした袋"だったが、思わぬ弱点を見つけることになる。
ちょっとしたときに裂けてしまうのだ。これでは、使い物になるまい。
先生からもらったプリント、予習宿題プリント、定期テストなどでパンパンになりながらも一枚も真っさらなルーズリーフが入っていない端っこが避けてしまったパシャパシャした袋を見て
「このままではダメになるな...俺」
と思い、遂に最終段階までいたった。書き終えたルーズリーフを"パチン!!"でも"パシャパシャした袋"でもなくその教科の教科書に挟むことにしたのだ。さすれば、なくさないし、順番もばらばらにならない。

そんなことばっかやってるうちに板書を写すのがをこがましくなってきて、まとめ方が汚くなる。ところが、俺はその下痢の下の字にも及ばない状態を2年も続けていたのだ。そして、ここ最近綺麗にノートをまとめることに快感を覚え、積極的に書くようになった。
が、苦労して書いたルーズリーフがなくなるのでは??と思えてきて、今日遂にノートをSHOP99で買った笑
「試しに世界史のノートでもまとめてみるかな」
と思い、"先史の世界"と題名を書こうとした瞬間...
"ズズズッ..."
「ああぁぁんんんんんんん!!!!!!!!!!!!!!!」
俺はノートの弱点を忘れていた...下敷きがないと不快だったのだ。